用語集
特別代理人
未成年者が法律行為をする場合、親権者(両親)が法定代理人として法律行為を行いますが、未成年者と一方の親権者の利益が相反する場合、その親権者は法律行為ができません。この場合、利益相反にあたらない親権者と裁判所から選任された特別代理人が共同で未成年者の代理人となって(親権者が一人しかいない場合は、特別代理人のみが代理人となります。)、法律行為を行います。よくあるのが、親権者と未成年の子が相続人となって遺産分割協議をするケースです。
死因贈与
贈与者(あげる人)が生前に受贈者(もらう人)と贈与契約を締結し、贈与者が死亡したときに初めてその贈与契約の効力が生じるようにする契約。遺言と同様に、死亡を契機に財産が移転することになるが、遺言が、遺言者が単独で行えるものであることに対して、死因贈与契約は相手方(受贈者)と契約する必要があり、一人では行えない。また、原則、相手方(受贈者)に関する制限はない。
本人確認情報
登記識別情報又は登記済証を添付すべき不動産登記申請において、当該書類が添付できない場合にその代用物として提出する書類であり、この書類の提出があった場合、登記所は、登記官による本人確認手続を省略することが可能になる。(提供があっても、登記官の裁量によって、登記名義人を再度本人確認することは可能です。)この書類は、資格者代理人(司法書士など)が、登記名義人と面談し、本人確認できる証明書の提供を受け、その他本人であることの確認をした上で、その者が登記名義人であるとを資格者代理人が証明するものであり、資格者代理人以外は作成できない。
遺言書の検認
相続人に対して、遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状・加除訂正の状態・日付や署名など検認日現在における遺言書の内容を明確にして、遺言書の偽造・変造を防止するための証拠保全手続(検証手続)。遺言の有効性を判断する手続ではない。また、公正証書遺言の場合は、検認手続は不要である。
認定司法書士
簡易裁判所での訴額が140万円までの争いに関して、依頼人の代理人として訴訟活動をすることが出来る司法書士を認定司法書士といいます。
従来の司法書士は簡易裁判所での訴訟代理権はありませんでしたが、法務省が行う簡易裁判所訴訟代理権取得の特別研修を受講し、その後の認定試験に合格することにより、認定司法書士となることが出来ます。
登記識別情報
従来は登記済証といわれるものが権利証として法務局から発行されておりましたが、平成17年不動産登記法改正により、法務局から発行されるものが「登記済証」から、「登記識別情報」という12桁の数字とアルファベットの組合せの番号に変わることになりました。よって、この登記識別情報が、今までの登記済証に代わる権利証になりました。
オンライン申請
従来は書面により行っていた登記申請を、インターネットを経由して行う事です、オンラインにより登記申請を行った場合、登記の種類により登録免許税を10%、最大で4,000円安くすることが出来ます。
取引履歴
取引履歴とは、貸金業者が顧客との間の取引(貸付内容や返済内容)について記録していた履歴のことで、貸金業者には、取引履歴の保存義務及び顧客に対しての開示義務が存在しますので、債務整理の際には、利息制限法に従った債務額を算出するため、まず取引履歴を貸金業者へ開示させ、開示された履歴を元に計算し直します。
同時廃止
同時廃止制度は、破産者の財産では破産手続きの費用(主に破産管財人の報酬)を工面出来ない場合に、破産手続き開始決定をすると同時に破産手続きを廃止する制度です。同時廃止が決定されると、免責手続きが開始され、免責不許可事由がなければ免責許可決定を受けることが出来ます。
免責、復権
破産手続きによって債権者が弁済を受けられなかった額について、破産手続きの終了後にも個人破産者へ責任を追及すると、破産者の経済的更生を難しくさせてしまう事になる為、裁判所より、免責の決定がなされたときは、破産者は破産手続により弁済されなかった債務について責任を免れることが出来ます。但し、免責不許可事由に該当すると免責されない場合があるため、注意が必要である。
また、破産手続きが開始すると、破産者の権利資格等に関していくつかの制限がされるが、免責許可決定が確定したときは、破産手続き前と同様に権利資格等に関しての制限が解除されます、これを復権といいます。
代襲相続
本来、相続人となる者が、被相続人より以前に死亡した場合に、その相続人の、子や孫が相続人となる制度です。
また、本来の相続人に遺留分が存在する場合、代襲相続した者も遺留分を有します。
限定承認
相続人は、自己の為に相続の開始があったことを知ったときから原則3カ月以内に、相続の単純承認、限定承認、放棄、をしなければならないが、限定承認はマイナス財産がプラスの財産よりも多いと考えられる場合に、プラスの財産で負債を支払い、負債のみが残ってしまった場合には、残りの債務に関しては責任を負わないという制度です。但し、相続人が複数いる場合には、相続人全員で限定承認を行わなければなりません。
遺留分減殺請求権
遺留分により保証されている割合を、被相続人の遺言等により侵害された場合に、遺留分を有する相続人が、侵害している相手に対して、相続財産を返還するよう請求する権利のことである。
遺留分
法律上、相続人が取得することを保証されている相続財産の一定の割合のことで、相続人が配偶者と子の場合は2分の1の割合、親や祖父母等の直系尊属の場合は3分の1の割合になる。但し、兄弟姉妹が相続人になる場合には遺留分はない