ちょっと一言・・・大阪府の債務整理業代行は問題が多いような
みなさん、おはようございます。
司法書士@五反田の荒谷健一郎です。
昨日、こんなニュースを聞きました。「大阪府、過払い金返還で無償支援」というニュースです。
http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011020601000301.html
ニュースでは、行政が債務者の債務額の計算を行い、和解締結に向けた支援を行うということについて、弁護士法(司法書士法)に違反の可能性がある点を言及していましたが、問題はその点だけではないように思います。
まず、計算ソフトによる債務額(過払金額)の確定ですが、実は、この部分が一番重要ではないかと思います。つまり、計算ソフトに単に入力すれば一見良いように思いますが、取引履歴によっては、一定期間取引がない場合における分断の判断や利息に関する判断が伴い、行政職員が単に入力して判断できることなのかという点です。
ここには、法的判断が入ってきますので、行政職員が入力すれば足りるというわけにはいかないように考えます。
また、債務整理は、債務者の生活再建が目的ですので、単にそれぞれの和解を終わらせれば済む話ではなく、債務者の生活再建のためには、和解ではなく、破産・民事再生の選択も必要になってきます。そうすると、行政職員がいきなり窓口で、そういう対応ができるのかどうか、単にそれぞれの貸金業者との和解締結に向けた支援で終わりはしないかという懸念があります。
このように、後方支援とみられる部分であっても、実際には、法律専門家でないと、判断できない部分もたくさんあり、行政が後方支援することには疑問があります。それをするのであれば、法テラスへの資金的支援を拡充させ、より多くの人が安価で法的サービスを受けられるようにるようにするべきではないでしょうか。
法テラスは国がつくった法的サービス窓口で、相談者の収入等に応じては、法律扶助制度もありますので、そちらをきちんとバックアップすることこそが、行政の役割かと思います。