台湾戸籍等の証明・認証に関する取り扱いが変更になりました
法務局(登記所)における台湾戸籍等の証明・認証に関する取り扱いの変更について
すっかりブログ更新が滞ってしまいましたが、久々に更新します。
以前にブログでもご案内致しましたが、日本国内の不動産においても、名義人である台湾人または台湾から帰化した日本人に相続が発生した場合、日本にある戸籍謄本だけでは不十分で、台湾にあるはずの戸籍謄本も取得が必要と話をしたことがありますが、
その台湾の戸籍謄本の取扱で、法務局から変更の連絡があったので、ご案内致します。
【変更点】
台湾の行政機関が発行した戸籍謄本などの証明書について、以前は必要とされていた、
日本にある台北経済文化代表処の認証並びに台湾国内における公証人の認証、外交部の
認証が不要になりました。
なお、訳文は今まで通り必要なのは変わりません。
【変更理由】
登記研究第804号、平成27年2月号、325頁以下を要約すると、そもそも日本は、外国の行政機関が発行した証明書に、当該国の関係官庁等の証明認証を求めるという領事認証制度を採用していないところ、台湾の行政機関が発行した戸籍謄本等においては、日本と国交がないことから、台湾公証人、台湾外交部ほか、日本にある台北経済文化代表処の認証をしたものでないと登記手続きにおいては使用できないという取扱をしていた。
しかし、そもそも領事認証制度を採用していない以上、国交がないという理由だけでは、それらの認証を必要とする法的根拠とはならないこと、台北経済文化代表処自体、台湾政府の公的機関ではなく、いち民間機関に過ぎないということから、原則に戻り、各所の証明認証がなくても登記手続きにおいて使用できる扱いになったということです。
※領事認証制度とは・・・自国の官憲等に提出される外国の公文書について、それが真に権限のある機関によって作成されたものであるかどうかを判断するための国際慣行として、当該公文書が真正に作成されたものであることを当該公文書の作成機関が属する国の関係官庁が証明し、さらにそれを同国に駐在する自国の外交官又は領事館が認証しなければ、当該公文書の効力を認めないとするもの。(前掲登記研究より)
これで、台湾における戸籍の取り寄せにかかる時間的負担や費用的負担は大きく軽減されることになるかと思います。
なお、この変更を知らない登記官がいたら是非教えてあげてくださいね。