売主が収監中の場合の名義変更登記手続
みなさん、こんばんは。
司法書士@五反田の荒谷健一郎です。
明日?今日?の朝の交通機関の影響が心配されますが・・・
さて、大野静香先生著書の「任意売却あ・ら・か・る・と」を拝読していたら、売主が収監中の場合の登記手続に関する記述があったのでご紹介させていただきます。
ちなみに、私も過去1度だけ、当事者(売主ではありませんでした)が、受刑者だったことがあります。
そのときは、めぼしい文献がなく、少ない先例をたよりに、ほとんど手探り状態で手続きをした記憶がありますが、大野先生の本がもっと早く出ていればよかったのにと思いました。
さて内容を要約すると・・・
1.受刑者との面会は制限があるので、司法書士が本人確認等により本人に面会しに行く場合は、日時等を手紙等で本人に予約しておく必要があること。また、面会の必要性を示す確認資料、面会者の身分証明書、面会時の持参物についても事前に刑事施設に確認しておく必要があること。
2.手紙の発受についても制限があるので、注意を要すること。
3.手紙類は差し入れ不可なので、面会時に本人に書類を手渡して面前による自署を求めることはできず、郵送でのやりとりをする方法によるしかないこと。
4.受刑者の印鑑証明書の発行ができないときは、委任状に押した受刑者本人の拇印につき、刑務所長又は刑務支所長の本人の拇印である旨の奥書証明をもって、印鑑証明書に準じた取扱とすることができること(先例あり)。
5.なお、当該委任状の日付が売買決済日より前の日付とならざるえないが、実務的には差し支えないとする見解があるので、この点については登記所に事前に相談しておく必要があること。
以上ご参考までに。(もっとしっかり知りたい方は、購入して確認してくださいね。)
刑事事件を扱う弁護士さんからすれば、この辺の知識は基本中の基本かもしれませんが、司法書士は受刑者に会いに行く機会なんてほとんどありませんので。。。