ペットに遺産を相続させる!?

みなさん、こんばんは。

司法書士@五反田の荒谷健一郎です。

昨日は、司法書士会の遺言執行研修に参加してきました。仕事に慣れてくると慢心しがちですが、常に日々勉強する姿勢を崩さずにやっていきたいですね

さて、研修でも話題に上がった表題の「ペットに遺産を相続させる」ことについてですが、

皆さんは、ペットに遺産を相続させることが可能と思いますか?

答えは、NOです。

「ペットも家族の一員なので、相続させたい!」と思うこともあるかもしれませんが、遺産を相続できるのは人(法人含む)に限られますので、法律上「物」であるペットに、遺産を相続させることはできません。

ただし、相続はできないが、同様の効果を生じさせる方法はあります。

ペットの世話をしてもらうという負担付きで、その世話をしてもらう人に遺産をあげる方法です。(負担付遺贈といいます。)

この場合、その世話をしてもらう人には生前に承諾を得ていただくのがベストです。また、その人がその動物が嫌いですと、ちゃんと世話をしてくれない恐れがありますので、その辺の見極めも大事です。

なお、世話する負担は、その人がもらう遺産より少ないことが大事です。

また、上記の負担付遺贈は遺言書の中に記載するのですが、同じく遺言書で、遺言執行者を選任しておきましょう。もし、世話する人が、サボる(世話をしない)ようなことがあり、遺言執行者から注意しても聞かない場合は、遺言執行者の権限で、裁判所に遺言取り消しを請求する必要が出てくるためです。

以上の通り、負担付遺贈をするには、いずれにしても「遺言」を書いておかなければなりません。遺言がなく、世話をする人がいなければ、大事なペットでも飼主の死後は、保健所で処分される運命となってしまいますので、遺言を書いてください。なお遺言を書くのであれば、公正証書遺言がお勧めですよ

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